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2013.10.25
[イベントレポート]
「3匹の子犬がじゃれているような感じ」―10/24(木)コンペティション『ウィー・アー・ザ・ベスト!』:Q&A

10/24(木)、コンペティション部門の作品『ウィー・アー・ザ・ベスト!』の上映後、ルーカス・ムーディソンさん(監督・脚本)、ココ・ムーディソンさん(原作、監督夫人)が登壇し、Q&Aが行われました。
 
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©2013 TIFF

 
司会:一言ずつ、ご挨拶を頂戴しましょう。レディーファーストで、原作者のココさんからお願いできますか?
 
ココ・ムーディソンさん(原作、以下ココさん):日本に来られて、とても幸せです。これは私の子供時代の話なので、日本のみなさんにこの映画を観ていただき、ストーリーに参加してもらえるのを非常に嬉しく思っています。
 
ルーカス・ムーディソン監督(以下、監督):私も来日できてとても嬉しいですし、東京国際映画祭にご招待いただき、本当に光栄に思っております。
 
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©2013 TIFF

 
Q:主役の1人、クララが赤い服を着ているほか、全編を通し他のエキストラも、赤い色の洋服が多かったように思います。監督にとって、赤というのは何か深いテーマにかかわる意味があるのでしょうか?
 
監督:特にシンボル的な意味はないのですが、確かに赤を使うことが多いかもしれません。クララがどうかということではなく、映画のトーンとして暖かい感じにしたかったので、寒色系のブルーよりは暖色系の赤っぽい色が多くなりました。赤は、愛やハートに関係していますよね。私は普段から暖かい雰囲気の映画を作る傾向にあります。
 
司会:原作コミックは白黒(モノクロ?)と聞いていますが、この映画はイメージに近い色合いでしたか?
 
ココさん:はい、そう思います。モノクロの原作の世界から、カラフルな映像になったのを見られてとてもうれしかったです。
 
Q:お2人にとってティーンのころに好きで聴いていた音楽がありましたら、ぜひ具体的に教えてください。
 
監督:自分が子どもの頃に大好きだった音楽をこの映画で使用できたのは、素敵なことでした。当時のスウェーデンのパンクバンドである「バグラン」や「KSMB」がとても好きでした。ヘドウィグがアコースティックギターで弾いているシーンで、クララが「この曲最高、今まで作られた中で最高」と言っていますが、13歳の私は本当にそう思っていました。クラッシュみたいなイギリスのパンクバンドも少しは聴いていたし、14歳くらいからは「ザ・キュア」のような他の国のバンドにも興味を持ち始めましたが、12、13歳の頃までは、ほぼスウェーデンの音楽一辺倒でした。
 
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©2013 TIFF

 
ココさん:ルーカスと同じで、私も自分の好きな音楽をこの映画に使えて、とても嬉しかったです。私自身は、スウェーデンのパンクはあまり聴きませんが、実は未だに「ザ・キュア」が好きで、1982年からずっと大ファンなのです。
 
Q:主演の3人の女の子たちは、楽器の演奏経験があったのでしょうか。それから、最前列、通訳の方の向かいに座っているのは、もしかしてヘドウィグの妹役を演じた少女ではないですか? 監督のお子さんなのでしょうか?
 
監督:2つ目の質問にお答えすると、彼女は私たちの娘リリーで、映画の中でヘドウィグの妹役でした。音楽的な技術に関しては、ヘドウィグ役の子は、アコースティックギターはかなり弾けました。しかし、エレキギターの経験はないし、ロック音楽を演奏したこともなかったので、少しエレキの練習をしました。クララとボボを演じた2人のミラ(本名が同名)は、全く楽器の演奏経験がなく映画と同じように、段々上達していったのです。映画と現実がほぼ比例していました。また、彼女たちが演奏している音楽は、すべて彼女たち自身が作ったもので編集を一切加えていません。
 
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©2013 TIFF

 
Q:映画の中で、3人の女の子たちがまるで子犬のようにぴょんぴょん飛び跳ねていて、とてもかわいらしくて、ずっとニコニコしながら観ていました。このまま見続けていたいなって。彼女たちはとても自然体に見えたのですが、演技指導はされていたのでしょうか。
 
監督:どうもありがとうございます。この映画を作るときに心がけたのは、素晴らしくかわいらしいキャラクターたちと、一緒にいたいと思ってもらうこと。3匹の子犬がじゃれているような感じは映画のストーリーよりも大事で、まさにそれを伝えたくてこの作品を作ったのです。わかっていただいて、とても嬉しいです。監督としては、彼女たちに自由をたくさん与えました。詳しく指示するよりは、大体こんな感じ、と。彼女たちが自分でセリフを作ることも結構ありました。
 
司会:メインキャラクターはどのようにキャスティングされたのですか?
 
監督:ストックホルム中の学校にあたって探したといっても過言ではありません。私だけでなく他のスタッフも含めて、あらゆる学校にあたりました。何度も何度もオーディションをして、即興ができるかどうかという点も重要でした。長いプロセスを経て、ベストな人たちを選びたいと思ったので。確かにベストな人たちを選ぶことができました。
 
Q:ココさんに質問ですが、自伝的なストーリーとのことですが、どんな子供時代だったのでしょう。3人の中で自分に一番似ているのは誰ですか?
 
ココさん:ボボです。クララとヘドウィグのモデルになった友だちとは、今でも大親友です。
 

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