クロージング作品の『清須会議』の上映に先立ち、本作品の監督および出演者による舞台挨拶が行われました。
■ 日時・場所: 10月24日(木) 18:30~ @TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7
■ 登壇者: 三谷幸喜(原作/脚本/監督)、役所広司(俳優)、大泉洋(俳優)、小日向文世(俳優)、佐藤浩市(俳優)、鈴木京香(女優)
三谷幸喜監督:こんばんは!僕は今日、映画の中で織田信長が着ている衣装を着ています。ものすごく、暑いです!東京国際映画祭のクロージングに相応しい映画が出来たと思います。是非皆さん、今日は楽しんでいってください。とても暑いです!
役所広司さん(柴田勝家役):クロージング作品に選んでいただきまして、本当にありがとうございます。感謝を込めて、僕たち、一足早くお正月のような格好で参加しました。一人だけ、ちょっとお正月だか何だか分からない衣装の方もいらっしゃいますけども・・・今日は、どうぞゆっくり『清須会議』楽しんでください。
大泉洋さん(羽柴秀吉役):東京国際映画祭に日本の映画がクロージングに選ばれるのは7年ぶりということで、大変光栄でございまして、その舞台挨拶にこうして来られたのが本当に幸せです。そしてこの、東京国際映画祭の豪華なオープニングがありまして、あのグリーンカーペットを役所さんと三谷さんが歩いているのを見まして・・・その日台風で、私の北海道の仕事がなくなったので、オレも行けたんだけどな、と思うとオープニングに行けなかった悔しい思いがありまして、クロージングに来られて大変幸せです。
小日向文世さん(丹羽長秀役):先ほど僕もこのクロージングに7年ぶりに日本映画が選ばれたということを聞きましたもので、本当に光栄なことだと思っております。三谷監督の初めての時代劇本編ということで、是非これを、国内だけではなく海外の方にもたくさん見ていただきたいと心から思っております。よろしくお願いいたします。
佐藤浩市さん(池田恒興役):クロージングの作品に、こういう作品、楽しい作品を選んでいただいて・・・日本で高名な武将が亡くなったり、戦が終わった後に、こういうことが行われていたんだ・・・多少の誇張はあっても、日本でこういうことがあったんだ、ということを今日皆さんに知っていただきたいと思います。本日は、最後まで楽しんでいってください。
鈴木京香さん(お市様役):私がいつも映画を見に来る映画館で、今こんな素晴らしい俳優さんたちとご一緒に、しかもこういう素敵な衣装で皆さんの前でご挨拶できるというのは、最高の栄誉に感じています。皆さんにも本当に心から楽しい時間を過ごしていただけると信じています。どうぞ、ゆっくり楽しんでください。
舞台挨拶では、世界に向けて日本の映画を発信していく場ということで、本作品の衣装デザインを担当された映画衣装デザイナーの黒澤和子さんが、それぞれの役のイメージカラーの和服を用意してくださいました。
あでやかな衣装を纏った鈴木京香さんは、「劇中でも大事なシーンでこの着物を着させていただいて・・・大好きな着物なんですが、こうやって現代風にアレンジして着付けていただいたので、今日はまた違った気持ちで着られて、着物って本当にいいものだなと実感しております」と嬉しそうに話していました。
織田信長の甲冑姿で、既に汗だくになって登場した三谷幸喜監督は、最後の英語のスピーチが気になって、「この後、英語でスピーチをしなければならないので、そのことでいっぱいです。何も答えられません!」とノーコメント。
茶系の地味目な和装の大泉洋さんは、「本当は、秀吉の映画の中のイメージですと黄色、または金色、ゴールドなんですが、黒澤さんから、そんな派手な服を着るわけにはいかないですものね、ということでそれには似せた色がこの色だったんですけど、監督を見たら別に金色でよかったんじゃないかと。こんな派手なヤツが来るんだったら」と会場を沸かせました。映画の中では、監督の秀吉像もあって、あえて着崩したりしていたため、「初めてきちんと着せてもらえたのが、とても嬉しい」と満足の笑みを浮かべていました。
日本の歴史の一面はもちろんのこと、「群像劇なんですけど、それぞれの役に合わせた衣装の素晴らしさ、それから装置やセットの素晴らしさをまずは堪能していただきたいと思います。あとやはり、ちょっと変な人に見えますけども、才能の塊の三谷さんが書き込んだ、小学生の頃から温めていたこの『清須会議』という本の素晴らしさ、群像劇をしっかりと見ていただきたい」と小日向文世さんが、日本のみならず海外に向けてアピールをしました。
フォトセッションに続いて、最後に三谷監督から会場にいる海外メディアやバイヤー、そして今後の海外の観客の皆さんに向けて英語でスピーチをしました。
時折、原稿を預けた佐藤浩市さんの方に目をやりながら、日本の時代劇シリーズの有名な決め台詞を英語で連発。「時代劇ですが、チャンバラシーンもなく、一滴の血も流れません」とスピーチは、すべて日本語に逐次通訳されていましたので、「英語でしゃべる必要はないんじゃないか」という意見も出ましたが、最後は、「ノーチョンマゲ、ノーライフ!」と三谷監督らしい、ユーモアたっぷりの舞台挨拶となりました。