10/19(土)、特別招待作品『晴れのち晴れ、ときどき晴れ』ワールドプレミアでは、トークショー、通常の舞台あいさつに加えて、上映後にも内片輝監督と中川雅子さん(岡山県議会議員/振り付け師)による舞台挨拶が行われました。
松本利夫さん(MATSU from EXILE)が参加したアリーナイベントの様子はこちらをご覧ください。
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今回はEXILEのMATSUさんのファンもたくさんいらしていると思いますので、ぜひ撮影秘話などお聞かせください。ブルース・リーの殺陣などそのあたりについてもお聞かせください。
内片輝監督(以下、内片監督):本人がいなくてごめんなさい(笑)。彼はダンスの振りは正直あまり難しくないと思ったそうです。ですが、気持ちを入れる為に色々勉強したり、皆さんとお話をしたりして(気持ちを)高めていったそうです。ヌンチャクとブルース・リーのアクションは1ヶ月くらい、最終的にはもっと長い間稽古をやっていました。使う筋肉が普段のパフォーマンスと全く違うそうで、普段あれだけパフォーマンスしているのに、1回練習しただけでものすごい筋肉痛になってしまって大変だと言っていました。それだけにマスターするのに普段より一生懸命やったとも言っていました。
でもMATSUさんですから普通の人よりマスターするのは早かったのではないでしょうか?
内片監督:そうですね。初めてヌンチャクを渡した時はボロボロでしたけどね(笑)。でもやはりすぐ上達していました。
では中川先生、MATSUさんに指導されたと思うのですが、やはりダンスをされている方なので覚えるのは早かったのではないでしょうか?
中川雅子さん(以下、中川さん):相手は日本を代表するスーパースターなので、どういう振付をしたらいいのか本当に悩みました。監督に相談したら、「EXILEのMATSUに振付をするのではなく、これは定虎(MATSUさん演じる役)という人の振付だ」と言われたので、それから定虎の役割を考えて人をひとつにしていくような振付を考えました。MATSUさんはすぐに振付を覚えたのですが、「ゆっくりすぎて踊れない」と言われました(笑)。彼は本当に勉強熱心で、「うらじゃ」について色々勉強してその中の一員になろうととても努力をしてくださりました。「うらじゃ」をしている者からすると本当に有難いなという感謝の思いでいっぱいです。
内片監督:MATSUさんは、撮影中も自分の芝居が終わったら、宿に帰って出番のない人みんなで「うらじゃ」の練習をしていました。「うらじゃ」の撮影は最後の方だったので、僕らが現場で撮影している間に宿に帰って、MATSUさんは24カラットのジャージを着て練習というのが日課でしたね。ものすごくハードだったと思います。
監督は兵庫出身で、今回は岡山が舞台の作品。「うらじゃ」というものを知った時の印象、そして映画化するにあたってどのように描いていこうとお考えでしたか?
内片監督:ハートウォーミングなお話なので、瀬戸内の海の柔らかさ、島の人々の温かさは背景にしようと考えました。映画を作るまで「うらじゃ」を知らなくて、実際ロケハンやシナハンの段階でお祭りを見せていただいた時の熱気を使うことはいいアイディアだなと思い、そのシーンをうまくストーリーに反映できたらと思いました。
中川先生は岡山や「うらじゃ」が映画祭を通して世界的にも見られるようになると聞いてどう感じられましたか?
中川さん:本当に嬉しかったです。もう何年も前から仲間たちといつか「うらじゃ」が映画になったらいいなと、夢物語を話していたんですが現実になりました。そして実は「うらじゃ」は20周年でして20歳のお祝いの年に大きいプレゼントを頂いたなと思います。これをきっかけに岡山をさらに盛り上げたいと思ってます。この岡山にとてもハートウォーミングな、素晴らしい主人公が誕生してくれてとても嬉しいです。
監督にお伺いします。日本のコメディ映画というのはよく難しいと言われておりますけれども、今回コメディ、ハートウォーミングな部分を引きだしつつ、更にMATSUさんの魅力を引き出してのキャラクター作りという部分で、アドリブを入れたりはしたのでしょうか?
内片監督:アドリブは全然ないです、一応全部予定通りのお芝居ですね。あまりコメディという意識はないんです。定虎という人間が愛されるキャラクターになれば、自然にみんなに微笑みが出るかなという思いで作りました。
MATSUさんの魅力が映画に出ている気がしたんですけれども、俳優としてご覧になった時の印象はどうでしたか?
内片監督:身体の動きや表情の表現などの役者としての動きは思ったよりできるんだなと正直思いました。完全にパフォーマーに倒れているんだろうかという気はしていたんですけど、全然そんなことはなかったです。役者として当たり前という感じで、やられてましたよ。だからもっとシリアスな話であったりとか、サスペンスとかミステリーであってもそれに対応するお芝居をする役者じゃないかと。それは確信します。
最後に東京国際映画祭で上映されたことについてのご来場いただいたみなさんへのメッセージをお願いしたいと思います。
中川さん:この『晴れのち晴れ』という題名は、岡山が「晴れの国」ということでつけていただきました。みなさんが地域のことを考えて作ってくださった気持ちがいっぱいの映画です。みなさん、ぜひこの映画を見た時に、自分の地元や日常と重ね合わせて、一緒に大事にこの映画を育てていってくださったらと思います。これからもどうぞこの映画ともに、みなさん幸せな日々を過ごされますように。
内片監督:東京国際映画祭という舞台で、公開前に観ていただけたということを本当に嬉しく思っております。海外の方もいらっしゃるんですよね。Do you like it?(気に入りましたか?)
観客:Yes! (はい!)
内片監督:Really? Are you sure? Thank you so much.(本当?確かですか?ありがとうございます。)幅広い年齢層で楽しめる映画にできてたらいいなと思うので、もし機会があれば、「また行ってみるか」という気になっていただきたいです。