コンペティション国際審査委員長
チェン・カイコー
映画監督
◆プロフィール
1952年北京生まれ。北京電影学院を82年に卒業後、『黄色い大地』(84)で長編映画監督デビュー。最も著名な作品『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)はアカデミー賞2部門にノミネートされ、カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)と国際映画批評家連盟賞を獲得。監督作品には、『始皇帝暗殺』(99)、『PROMISE プロミス』(05)、ベルリン国際映画祭金熊賞にノミネートされた『花の生涯~梅蘭芳~』(08)があり、さらに『花の影』(96)『北京ヴァイオリン』(02)『キリング・ミー・ソフトリー』(02)『それぞれのシネマ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画~』(07)『運命の子』(10)などがある。最新作は“Caught in the Web”(12)。これまでにカンヌ、ベルリン、ヴェネチアのほか、中国、日本、イタリアの名高い映画祭で審査委員を務めてきた。2006年、第28回モスクワ国際映画祭で特別功労賞を授与されている。
◆メッセージ
本当に優れた映画というのは、いつの時代もほんの一握りに過ぎません。映画を産業として考える場合、求められるのは「優れた映画」ではなく「売れる映画」です。とはいえ、個性のある、人の心を打つ映画は、どんなことをしても世に出てきます。なぜなら人生とは、人を感動させるものだから。優れた映画に出会えることを期待し、私は今回、審査委員長を務めます。優れた映画を見逃すことなく賞を授与し、若い映画人たちには、さらに良い作品を撮るよう励ましていきたいと思います。
コンペティション国際審査委員
ムン・ソリ
女優
1974年韓国生まれ。舞台女優としてキャリアをスタートさせた後、2000年、イ・チャンドン監督『ペパーミント・キャンディー』に主演。2作目『オアシス』(02)もイ・チャンドン監督によるもので、脳性麻痺を抱えた女性を演じた。この演技により自身初の大きな賞となる、ヴェネチア国際映画祭新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)受賞の栄誉に輝く。その見事な演技は世界中のファンと批評家の関心を集めた。
その後、イム・サンス監督の『浮気な家族』(03)でホジョンを演じ、第14回ストックホルム映画祭で最優秀女優賞を獲得。これまでに『大統領の理髪師』(04)『愛してるマルスンさん』(05)『チ・ジニ×ムン・ソリ 女教授』(06)『私たちの生涯最高の瞬間』(08)『Sa-kwa(りんご)』(08)などの作品で様々な役柄に挑戦し続けている。さらにホン・サンス監督作品では、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞作『ハハハ』(10)や昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作『3人のアンヌ』(12)に出演している。最新作“The Spy”は9月に公開が予定されている。
クリス・ブラウン
プロデューサー
1983年からインディペンデント映画の製作に関わる。イギリス出身、現在、オーストラリア国籍。オーストラリア、イギリス、ロサンゼルス、ニューヨークで活躍。手掛けた作品は、『狼の血族』(84)、ゴールデン・グローブ賞受賞、アカデミー賞にもノミネートされた『モナリザ』(86)、デヴィッド・ボウイ、シャーデー、レイ・デイヴィス出演『ビギナーズ』(86)、ガイ・ピアース、ダニー・ヒューストン、ジョン・ハート、エミリー・ワトソン出演、ヴェネチア国際映画祭グッチ賞、オーストラリアのIF最優秀映画賞を受賞した『プロポジション -血の誓約-』(05)など。2008年、イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、サム・ニール出演の『デイブレイカー』を製作。ライオンズ・ゲート・フィルム配給により全米2,700スクリーンで公開され、全世界で6,000万ドルの興行収入を記録。11年、オーストラリア初の3Dアクション映画『パニック・マーケット3D』を製作総指揮。オーストラリア・シンガポール初合作映画であり、中国で歴代外国映画第15位の初日興行成績を記録。最新作は、コリン・ファース、ニコール・キッドマン、ステラン・スカルスガルド、ジェレミー・アーヴァイン、真田広之出演、ジョナサン・テプリツキー監督『レイルウェイ 運命の旅路』。04年、オーストラリア・スクリーン・プロデューサーズ協会からインディペンデント・プロデューサー・オブ・ザ・イヤーを授与された。現在、エド・プレスマンと共に、アクション映画『ブラッド・スポーツ』(87)の再映像化に取り組んでいる。監督は『Vフォー・ヴェンデッタ』(05)のジェームズ・マクティーグ。オーストラリアとブラジルで撮影し世界各国で配給される予定である。
クリス・ワイツ
映画監督/脚本家/プロデューサー
1969年ニューヨーク生まれ。ロンドンのセント・ポールズ・スクールとケンブリッジ大学で学ぶ。98年、兄のポールと共に『アンツ』の脚本を手掛ける。ふたりは『アメリカン・パイ』(98)『天国からきたチャンピオン2002』(01)、ヒュー・グラント主演の『アバウト・ア・ボーイ』(02)を共同で手掛け、『アバウト・ア・ボーイ』ではアカデミー賞最優秀脚色賞にノミネートされる。2007年、フィリップ・プルマン原作、ニコール・キッドマン主演のアカデミー賞受賞作『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の脚本と監督を手掛ける。その後、『ニュームーン/トワイライト・サーガ』(09)、デミアン・ビチルにアカデミー賞最優秀男優賞ノミネートをもたらした『明日を継ぐために』(TIFF11出品)を監督。小説「The Young World(ザ・ヤング・ワールド)」は、リトル・ブラウンから、来年、出版される予定である。
寺島しのぶ
女優
1972年12月28日京都市生まれ。父に歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎、母は女優の富司純子、弟は歌舞伎役者の五代目尾上菊之助という、演劇・俳優一家に生を受ける。92年に文学座に入団。文学座退団後も舞台・テレビドラマで活躍。
荒戸源次郎監督作『赤目四十八瀧心中未遂』(03)、廣木隆一監督作『ヴァイブレータ』(03) での演技で、第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、日本国内外で10以上の映画賞を受賞した。若松孝二監督作『キャタピラー』(10)で、日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭・最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。
主な出演作に廣木隆一監督作『やわらかい生活』(06)、チャン・イーモウ監督作『単騎千里を走る』(06)、鶴橋康夫監督作『愛の流刑地』(07)、本木克英監督作『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(08)、矢口史靖監督作『ハッピーフライト』(08)、荒戸源次郎監督作『人間失格』(10)、若松孝二監督作『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12)、御法川修監督作『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(13)、若松孝二監督作『千年の愉楽』(13)、小林政広監督作『日本の悲劇』(13)など。10月5日に松本人志監督作『R100』の公開を控えている。
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